ニュースサイト「しらべぇ」などにインタビュー記事掲載
ジャーナリストの及川建二氏から、「今上陛下の『平成の御代』とはどのような時代だったのか。陛下が目指されたものは何か。」というテーマでインタビューを受けました。その模様が、ニュースサイト「しらべぇ」の「平成の御代を振り返る 金子宗徳博士に聞く『日本国民統合の象徴』に徹された天皇陛下」にまとめられました。是非とも、御一読下さい。
因みに、見出しとリード文にある「博士」は及川氏によるもの。氏曰く、「欧州では博士でなくても、研究者は博士と呼ぶ」とのことです。
 

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『国体文化』(平成31年2月号)に寄稿

日本国体学会の機関誌『国体文化』(平成31年2月号)に論説「天皇と国民との結びつきを巡つて ― 「戦後民主主義」と経済のグローバル化といふ視点から」と書評「『私の天皇論』〔『月刊日本』1月号増刊(株式会社K&Kプレス)〕/喚起する存在としての天皇」を寄稿しました。

 

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『国体文化』(平成31年1月号)に寄稿

日本国体学会の機関誌『国体文化』(平成31年1月号)に論説「平成最後の新年を迎へるにあたり ― 後代の先例となる御代がはりを」と書評「『昭和12年とは何か』(藤原書店・平成30年)/「国体」から見たる昭和十二年」を寄稿しました。

 

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ニュースサイト「しらべぇ」にインタビュー掲載

ニュースサイト「しらべぇ」の及川健二「天皇陛下、85歳を祝う一般参賀に平成最多の8万人 全国の被災者を深く案じるお言葉も」という記事において、インタビューを受けました。

 

天皇陛下、85歳を祝う一般参賀に平成最多の8万人 全国の被災者を深く案じるお言葉も

 

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週刊『AERA』(5月1日・8日合併号)にインタビュー記事が掲載

4月23日発売の『AERA』に掲載された山口亮子「伝統的右翼がネトウヨを叱る? 宮沢賢治も信じた国柱会は今」という記事において、インタビューを受けました。

 

伝統的右翼がネトウヨを叱る? 宮沢賢治も信じた国柱会は今(3/4)

伝統的右翼がネトウヨを叱る? 宮沢賢治も信じた国柱会は今(4/4)

 

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安倍首相よ、脱法移民を認めるな
最新号の『国民新聞』〔第19200号〕に上記のタイトルで一文を寄稿しましたので、その全文を転載いたします。
転載にあたり、誤字など一部の表現は修正しました。
安倍首相よ、脱法移民を認めるな

 去る十一月二十一日、安倍首相は衆議院の解散に踏み切り、十二月十四日に総選挙が実施される。
 解散直後の記者会見において、安倍首相は「アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙であります」と述べた。アベノミクスの是非を争点にしたいといふことであらうが、そもそも国民はアベノミクスの内容を十分に理解してゐるか。アベノミクスは「大胆な金融緩和」・「機動的な財政政策」・「新たな成長戦略」といふ「3本の矢」からなるが、「新たな成長戦略」の一環として実質的な移民受入れ政策が展開されつゝあることを国民は知らされてゐない。
 六月二十四日に閣議決定された《「日本再興戦略」改訂2014》を見ると、「外国人材の活用」として、(1)高度外国人材受入れ環境の整備、(2)外国人材技能実習制度の抜本的見直し、(3)製造業における海外子会社など従業員の国内受入れ、(4)女性の活躍推進、家事支援ニーズへの対応のための外国人家事支援人材の活用、(5)介護分野の国家資格を取得した外国人留学生の活躍支援等、といふ五項目が列挙されてゐる。安倍首相は十月一日の衆議院本会議における平沼赳夫氏の質問に対し、「日本再興戦略に盛り込まれてゐる外国人材の活用は、移民政策ではありません」、「多様な経験、技術を持つた海外からの人材に日本で能力を発揮して頂くもの」、「安倍政権は、いはゆる移民政策をとることは考へてをりません」と答弁してゐるが、これが移民受入れ政策でなければ何なのか。安倍首相の発言は、国民を瞞着する詭弁としか云ひやうがない。
 期限付きの出稼ぎ労働者として受入れたとしても、家庭を形成するなど生活基盤が確立してしまへば実質的には移民と同じだ。現行の国籍法では、五年以上の国内居住実績など幾つかの要件を満たせば容易に日本国籍取得の途が開け、被選挙権を含む参政権が付与される。日本人と結婚すれば、もつと短期間で日本国籍を取得できる。我が国に敵意を有する外国人が労働者として入国し、国政を左右することも不可能ではない。実際、現行の制度下においても技能研修制度と留学制度を悪用して少なからぬ支那人が定住してゐる。これなど、まさに「脱法移民」だ。
 交通手段や通信手段が飛躍的に発展し、国境を越えたモノ、カネ、ヒトの移動が活発化した現在、グローバルな経済活動から無縁でゐることは不可能である。だが、モノやカネと異なり、国境を越えたヒトの移動は幾つかの問題を孕む。
 第一に、先住者の生活水準が低下しかねない。多くの先住者は低賃金で働くことを厭はない移民との競争を強ひられ、場合によつては職を失ふ可能性さへある。第二に、深刻な文化摩擦を引き起こしかねない。「郷に入れば郷に従へ」といふ諺の通り、移民が相手国に同化できれば良いけれども、そんなことは不可能だ。
 現に、第二次世界大戦後、人手不足を解消しようと移民を積極的に受入れた欧州諸国では、これらが相俟つて深刻な社会問題となつてゐる。その轍を踏まぬやう、今回の衆議院選挙を通じて安倍首相に翻意を促さねばならない。
 とは云へ、与党である自民・公明両党は云ふに及ばず、野党の危機感も薄い。衆院選に向けて各党が発表したマニフェストを見たところ、僅かに平沼氏が代表を務める次世代の党が「東京オリンピックに備へて、入国管理と治安警備を強化」、「国民健康保険の海外療養費制度厳格化」と謳つてゐるが、これは対症療法に過ぎぬ。民主党や維新の党に至つては、いはゆる「ヘイトスピーチ」の規制を公約に掲げてゐる。日本国に寄生し、日本人の平穏な生活を阻害する外国人への怒りの表明を問答無用で犯罪扱ひする両党に祖国の未来は託せない。
 「脱法移民」の問題にまで目を向けてゐるのは、鈴木信行氏が代表を務める維新政党・新風だけである。同党の衆院選不出馬が残念でならない。
〔金子宗徳・日本国体学会理事〕
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週刊読書人に執筆しました
現在発売中の『週刊読書人』〔2014(平成26)年7月18日〕に、中野目徹氏の『明治の青年とナショナリズム―政教社・日本新聞社の群像』に関する小生の書評「ナショナリズムと知性」が掲載されましたので、是非とも御一読下さい。

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『週刊読書人』に書評を執筆しました
本日発売された『週刊読書人』〔2012(平成24)年12月7日〕に、前田勉氏の近著『江戸の読書会』に関する小生の書評「現代社会にも必要不可欠な場」が掲載されましたので、是非とも御一読下さい。

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【講演要旨後篇】三島由紀夫研究会のメルマガで掲載されました
 三島由紀夫研究会のメルマガ『三島由紀夫の総合研究』(平成24年8月22日)において、去る7月30日に講演させて頂いたものが講演要旨の後篇として編集部の文責でまとめられ配信されていましたので、前の記事に引き続き御紹介させて頂きます。



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 『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
    平成24年(2012)8月22日(火曜日)
        通巻第675号
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  ♪
三島由紀夫研究会例会(平成24年7月30日)
講演要旨「三島由紀夫と国体論」(後編)
金子宗(里見日本文化学研究所主任研究員、弊会会員)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 <小誌8月19日、通巻673号の続き>

(承前)
三島由紀夫の国体論
**********

「私見によれば、言論の自由の見地からも、天皇統治の『無私』の本来的性格からも、もっとも恐るべき理論的変質がはじまつたのは、大正十四年の『治安維持法』以来だと考へるからである。すなはち、その第一条の、『国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ……』といふ並列的な規定は、正にこの瞬間、天皇の国家の国体を、私有財産制度ならびに資本主義そのものと同義語にしてしまつたからである。この条文に不審を抱かない人間は、経済外要因としての天皇制機能を認めないところの、唯物論者だけであつた筈であるが、その実、この条文の『不敬』に気付いた者はなかつた。(傍線編集部)

正に、それに気づいた者がなかつた、といふところに、『君臣水魚の交り』と決定的に絶縁された天皇制支配機構が呱々の声をあげるのである。

国と民族の非分離の象徴であり、その時間的連続性と空間的連続性の座標軸であるところの天皇は、日本の近代史においては、一度もその本質である『文化概念』としての形姿を如実に示されたことはなかつた。

このことは明治憲法国家の本質が、文化の全体性の侵蝕の上に成立ち、儒教道徳の残滓を留めた官僚文化によつて代表されてゐたことと関はりがある。私は先ごろ仙洞御所を拝観して、こののびやかな帝王の苑池に架せられた明治官僚補綴の石橋の醜悪さに目をおほうた。

すなはち、文化の全体性、再帰性、主体性が、一見雑然たる包括的なその文化概念に、見合ふだけの価値自体(ヴェルト・アン・ジッヒ)を見出すためには、その価値自体からの演繹によつて、日本文化のあらゆる末端の特殊事実までが推論されなければならないが、明治憲法下の天皇制機構は、ますます西欧的な立憲君主政体へと押し込められて行き、政治的機構の醇化によつて文化的機能を捨象して行つたがために、つひにかかる演繹能力を持たなくなつてゐたのである。雑多な、広汎な、包括的な文化の全体性に、正に見合ふだけの唯一の価値自体として、われわれは天皇の真姿である文化概念としての天皇に到着しなければならない。……

このやうな文化概念としての天皇制は、文化の全体性の二要件を充たし、時間的連続性が祭祀につながると共に、空間的連続性は政治的無秩序さへ容認するにいたることは、あたかも最深のエロティシズムが、一方では古来の神権政治に、他方ではアナーキズムに接着するのと照応してゐる。

『みやび』は、宮廷の文化的精華であり、それへのあこがれであつたが、西欧的立憲君主政体に固執した昭和の天皇制は、二・二六事件の『みやび』を理解する力を失つてゐた。」〔三島「文化防衛論」〕

 以上長々と「文化防衛論」を引用したが、三島は「国体」を「文化の全体性」との関わりで捉えようとする。そして天皇を、文化を文化たらしめる超越者として位置付ける。
ところで三島がいうように、当時治安維持法の「不敬」に気付いた者は本当に居なかったのか?また明治憲法と文化の全体性については三島と橋川文三との論争があった。いうまでもなく三島の二・二六事件に対する肯定的評価は『憂国』や『英霊の声』の核心である。

里見岸雄の国体論
********

「もはや、到底、一片の講演会などで、思想の取締は出来ないと悟つたところへ、一方無産者運動が急激になり社会主義思想が駸々としてその陣営を進むるや、ブルジョア政治家は、つひに、大正十四年、かの治安維持法なるものを公布した。その第一條に/国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス/とあつた。これ当時、左陣営から、盛んに悪法として攻撃されたもの、吾人等又、当時、国体と私有財産制度とを同架に置くの甚しき不法なることを論じたものである。神聖なる国体は、かくして、ブルジョア階級の自己防衛の具に悪用された。……(昭和三年の帝国議会により両者の区別を試みたものの―引用者補足)

 国体と私有財産制度とを、殊更にかく近接事項として取扱ふ用意の中にブルジョア精神の国体利用が看破せられるのである。為政者のブルジョア擁護のこの態度が、ただでさへ生活苦の為に眼くらんだ無産階級思想運動者流に、いよいよ日本国体即ブルジョア主義組織といふ心證を強調するであらう事は余りに明白だ。無産階級の国体即資本主義制度観が無智に基いたものであるにしても、強いて国体をブルジョア擁護の楯の如く取扱ふ者共の不都合はまさに日本国民の名に於て糾弾すべき国体冒涜罪である。為政者みづから心なき国民をして国体と私有財産制度とを混同する様に導いてゐるこの不都合を何で黙過し得よう。日本国体は断じて私有財産制度と混同さるべき者ではなく、又、近接して同架に取り扱れ得べきものではない。私有財産を否認する事によつて脅威を感ずるものはただ私有財産によつて生活を享楽してゐる者丈である。

この一部の有産階級の利害に関する問題と、萬世一系の天皇を全社会的生活の人格中心として奉戴する事を破壊せんとする行為とを、あはよくば、結合せんとするが如き卑劣不都合なる心事を容認する事は、真に一君万民主義者のよく為し能はざるところでなければならぬ。」〔里見岸雄『天皇とプロレタリア』(昭和四年)〕

 以上のように里見は治安維持法の「不敬」に気付いていた。さすれば三島は里見の著作を読んでいないのではないかと推測できる。

 「吾等の創造すべき無比の国体は、刻々の現実に存せねばならぬ。若しもこの現実に創造すべき何の国体もなくただ過去の伝統と光栄とを保守してゐる丈けなら、国体は、社会の進化と共に、人間生活の行動の変遷と共に無意味にならざるを得ないではないか。国体は永遠に吾人の行動の中に把握されねばならぬ。刻々に変化しゆく高速度テンポの社会に、つねに清新なる人格的共存共栄の実をあげてゆく人格的創造の中に、仰いでつきず、望んで涯しなき日本国体の真の栄光は輝くのだ。吾人は今日にあつて、徒らに過去の国体美を懐古主義的に讃歎してゐるのが能ではない。現代の社会に、いかにせば万邦無比の国体を実現し得べきかといふ事こそ、吾等の生活の中に要求せられつつある実際問題だ。神国といふも、過去の神国観念では駄目である。いかに現実社会が神国的であるかが必要だ。世にこれほど明瞭な国体論は無い筈だのに、群盲、象を探るの慨あるは、皇国の為め切に憂ふべきことである。

 世に類稀なる万世一系も、亦宇内に冠絶せる皇徳も、克忠克孝も、みな、万邦無比の国体の一断面であつて、それぞれに独立して、それ一つで万邦無比の国体なのではない。古来の民族その他の伝統も、国家秩序の組織も、皇室も臣民も、思想も生活も、その悉くが、綜合され協力冥合して、人格的共存共栄態を実現しようとする無限の意志と努力との中に、万邦無比の国体の胎生もありその生長、完成も期して待ち得るのである。」〔里見『天皇とプロレタリア』(昭和四年)〕


以上述べられた里見岸雄の国体論によれば、「国体」とは(文化を含む)諸現象の総体ではなく、それらを生み出す「究極的基盤体」と捉える。また「天皇」とは即「国体」ではない。「国体」とは既に完成しているものではなく、生命弁証法に基づき常に生成発展し続けるものということになる。



皇位継承問題について
**********

最後に時局的な話として、いわゆる皇位継承問題について触れておきたい。まず里見岸雄博士の皇位継承論は要約すると次の如くなる。

1)男系男子による継承が原則である。里見博士の戦前に書いたものを読むと男系継承が絶対であり、女系継承の可能性に触れたものは一切ない。しかし戦後になって旧十一宮家の臣籍降下があってから、里見博士の考えは少し柔軟にかわってくる。(昭和22年頃の論文)
2)男系男子による継承が困難となったときは男系女子の継承を認め、皇統出自の名族より皇婿を迎えるものとする。但し里見の書いたものを読むと、一般民間人からの入夫を完全に排除しているわけではないと読みとれる。
3)一方で里見は臣籍降下した者の皇籍復帰は望ましくないとも述べている。その背景として平安時代において一度臣籍降下した皇子を皇籍に復帰させて即位させた例(宇多天皇)があるが、これは藤原基経の政治的思惑によるものであったからであると指摘されている。
4)傍証としては、法華経における男女平等思想が里見の思想の基にあったことは想像に難くない。

またこれに対して、私の皇位継承問題に対する考え方は以下の通りである。

本来、この皇室典範にかかる問題は勅裁を以て決すべきことであり、国民としては議論を尽くすことしかできない。またその必要がある。ただ現状は男系派も女系派も自分の反対意見を罵倒したり、冷静な議論が行われていないのは残念である。
 個人的には女系継承イコール「国体」破壊とは思わぬが、男系男子主義を尊重する見地から旧皇族系一般国民男子の皇籍復帰可能性についても検討することは必要だと思う。その際には、皇族身位令など旧法の精神を斟酌すべきであろう。
(おわり)
(文責編集部)

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【講演要旨前篇】三島由紀夫研究会のメルマガが掲載されました
三島由紀夫研究会のメルマガ『三島由紀夫の総合研究』(平成24年8月19日)において、去る7月30日に講演させて頂いたものが講演要旨の前篇として編集部の文責でまとめられ配信されていましたので、御紹介させて頂きます。


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 『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
    平成24年(2012)8月19日(日曜日)
        通巻第673号
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例会(平成24年7月30日)講演要旨
「三島由紀夫と国体論」(前篇)
金子宗徳(里見日本文化学研究所主任研究員、弊会会員)

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(講師プロフィ−ル:昭和50年生まれ、政治学者。専攻は近代日本政治思想史・現代文明論。筑波大学付属駒場中学・高校を経て京都大学へ進む。経済学部から総合人間学部に転じ、在学中に第三回読売論壇新人賞優秀賞を受賞。同大学院人間・環境学研究科修士課程に進学し、同博士課程修了退学)現在里見日本文化学研究所主任研究員、日本国体学会理事。)
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▼三島由紀夫と私

私が「右翼少年」になったきっかけは小学生の4年か5年の頃たまたまテレビの政見放送で、白髪の老人が髪を振り乱して「土井たか子を牢屋へぶち込め」とか「朝日新聞なんかどうこうしろ」とか極めて過激なことを絶叫していたのを観て衝撃を受けたのが最初であった。この老人とは大日本愛国党の赤尾敏氏であった。以後私は右翼というものに関心を持つようになった。


その後私は筑波大学附属駒場中学、高校に進んだ。この学校は学年の半分が東大に進学するという、いわば戦後民主主義エリート養成所ともいうべき学校であったが、そこで社会科を教える教師は殆どが家永三郎門下の左翼といってもいいくらいであった。(筑波大学の前身は東京教育大学で家永三郎がその看板教授であった。)私は国立の学校であったので、行事には国旗・国歌があるだろうと思っていたが、全くないのには驚いた。
当時は冷戦が終結するとともにバブル景気が終息してゆく時代であったが、一方でマルクス主義と資本主義の野合を感じとり、現代社会に対する根源的違和感を感じた私は次第に三島由紀夫に関心を持つようになっていった。とくに三島由紀夫の『英霊の声』は私の心の支えになったといえる。そして私の関心は保田與重郎や新右翼にも向けられるようになった。

大学に進むときに、周りが東大を受験する中で私は『近代の超克』で知られる京都学派に興味を抱き、その京都学派を生んだ京都大学に進んでみたいと思うようになった。ところが憧れの京都大学に入学してみると、現実は全く異なり私は失望することとなる。さて京都大学在学中に私は「国家としての『日本』−−その危機と打開への処方箋」という論文で第三回読売論壇新人賞優秀賞を受賞した。ちなみに最優秀賞は長島昭久氏であった。尚この私の論文は『安全保障のビッグバン』(共著、読売新聞社)に収録されている。

▼里見岸雄とは


里見岸雄(明治30年〜昭和49年)は国柱会創始者である田中智學の三男として生まれ、のちに里見家へ養子に入り以後里見姓を名乗った。早稲田大学文学部哲学科を卒業し、欧州留学した後に里見日本文化研究所を創設した。里見岸雄は「国体科学」(科学的国体論)を提唱し、その著書『天皇とプロレタリア』(昭和4年)や『国体に対する疑惑』(昭和3年)がベストセラーになった。里見岸雄は大正14年に治安維持法が制定された際、同法が国体と私有財産制を同列視するものとしてこれを厳しくこれを批判した。また天皇機関説問題の際には、天皇機関説と天皇主体説の双方を批判する立場をとった。里見は『国体法の研究』(昭和13年)により立命館大学から法学博士号を授与された。

里見岸雄は三島由紀夫をどう捉えたか

昭和45年11月25日の三島由紀夫の自決について、里見岸雄は「三島由紀夫と飯守重任」〔『国体文化』(昭和46年3月号)〕において次のように述べている。
「三島由紀夫という人には私は一面識も無いし、その作品もこれまで一つも読んだことがなかった。」しかし三島由紀夫は「文字通りの意味で真の『文士』に価する者」であった。「三島氏は割腹自殺という以上の行為を以てその享受した人生を主体的に完結したのであって、知ったかぶりの利口ぶった第三者的評言を遥に超えた厳粛性、壮絶性がある。」
「文学がどうの美学がどうのなどという問題とは何の関係もない彼の国士的生涯の終幕であったのである。」

「彼は一寸おもしろいことを言っている。『国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である。政体を警察力を以て守りきれない段階に来てはじめて軍隊の出動によって国体が明らかになり軍は建軍の本義を回復するであろう。日本の軍隊の建軍の本義とは天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守ることにしか存しないのである』と。だが三島由紀夫の自衛隊観はその皮相の形式美を見てその骨髄の漸く腐食されつつあるシビリアンコントロール下の自衛隊の本質の変化を的確に捉えかねていた。」
「三島が期待したであろう結果が自衛隊内に直ちに現象的にあらわれなくても、精神史的には可成り大きな意義を認めらるべきであろう。問題は自衛隊の決起というが如き即時的反応に重点があるのではなく、三島ほどの高名有能の文士が、憲法改正の悲願の為めに、その生命を供養したと見るべき一点に存する。仏典を見ると、仏道修行の菩薩達が或は生身を焼いて燈と為して供養したとか或はその肉を割いて供養したとかいう話に数々遭遇するが、三島の割腹は、まさに憲法改正という国民的悲願の成就の為めに、その身命を国家に供養したものと解すべきであって、彼の愛国精神の燃焼した最高の姿であったにちがいない。」

「憲法改正を叫ぶ者は決して少くない。然し憲法改正の為めに自ら命を断った人は、三島由紀夫氏を以て嚆矢とする。悲壮な死であった。その精神史的意義は大きいが、三島ほどの情熱と文才と行動力を有った有為の士が、同じことなら自決というような道を選ばず、徹底した憲法改正の啓蒙運動に後半生を捧げてくれたならば、いかに偉大な効果が期待できただろうかと、私は、それを惜しいことに思うのである。」

「ともあれ三島の自決は憲法改正を志す日本国民にとって、一つの大きな刺戟であった。彼の死を高貴あらしめるものは、それが憲法改正の志念とつながっていることであった。彼の生前に知り合えなかったことは残念に思えてならぬ。」

以上のように晩年の里見岸雄は三島由紀夫と面識がなかったにもかかわらず、また後述するようにその天皇観において違いがあったものの、その決起と自決の趣旨と精神を大変高く評価していたことがわかる。

鈴木邦男氏の主張について

鈴木邦男氏の最近の著書に『竹中労』というのがあるが、その中で鈴木氏が「三島は里見の影響を受けていると思う。」と書いている箇所がある。これは本当なのか?里見学派を継承するものとして看過できない表現である。この鈴木氏の本では竹中労氏の発言が以下のように引用されている。
「名前が粋でね、八犬伝や岸打つ波という感じでしょ(笑)、まずそれでひっかかって、いま言ったように内容的には違和感があったのです。ウムと肯綮に当ったのは戦後、それも二十年以上たってからなんですよ。三島由紀夫が東大全共闘と対話した前後、『文化防衛論』を読んでいてフッと里見岸雄が記憶の底から蘇よみがえってきた。手に入るかな彼の本がと思って本棚を見たら、あるじゃないの『天皇とプロレタリア』と『国体に対する疑惑』が。それで読みなおして、1969年に出版した『山谷/都市叛乱の原点』に彼の国体・政体分離論を借用したわけなんです。」〔竹中労『竹中労の右翼との対話』〕

「小説家は、タネ本を出さないのが建前なのです(笑)。『文化防衛論』は里見岸雄理論を下敷きにしている、というぼくの指摘は絶対に間違いないと確信しています。」〔竹中同書〕
一見鋭い感性のように思われるが、実証的な裏付けがない。
「天皇制犹駛楴腟銑瓠福帖弔隼笋燭舛聾討屬海箸砲靴茲Α砲侶从儡霹廚蓮近代的な統一国家の形式に名を借りた、地租収奪の独占による。」〔竹中『山谷/都市叛乱の原点』〕

「佐野・鍋山はいう、『革命の形態は各国の伝統的、民族的、社会心理学的因素によって異なる』、したがって、日本においては、『皇室を戴いて牋豺饉匆饉腟然很伸瓩鮃圓Δ里自然であり、また可能である……』と。それは、北一輝の『天皇ヲ奉ジテ速ヤカニ国家改造ノ根基ヲ完ウセザルベカラズ』(日本改造法案・大綱)とする、天皇制犲匆饉腟銑畛彖曚肇轡礇狒仞源のように一致する。だが、―革命とは、歴史伝統の肯定的発展であるのか?」〔竹中同書〕

「1969年5月12日、作家三島由紀夫は、東大全共闘『焚祭』の討論集会に出席して、『日本の民衆の根底にあるもの、―天皇制を把握しなければ、諸君の革命も成功しなければ、私の文学もあり得ない』と語った。その指摘は正しい。ただし、三島の把握しているのは、『士』の理念であり、私たちは『穢多』の思想に依拠する。天皇制犹駛楴腟銑瓩箸蓮△り返し指摘したように、『差別』『搾取』の権力の二重構造、いいかえれば狎治・イデオロギー的支配甅犒从兒拉朖瓩虜然たる一体としての国家権力であった。……そして今日、三島由紀夫が『士』のイデオロギーから問いかける天皇制?神話?に、革命的学生たちはほとんど答えるスベを知らず、なぜか友好的ムードを通わせてしまうのである。」〔竹中同書〕

鈴木邦男氏が引用する竹中労の論は、「穢多」(=窮民)による革命を夢想するなかで、里見や三島から「天皇制」と「資本主義」や「社会主義」を切り離すという発想のヒントを得たということに過ぎない―あくまで、竹中にとっての里見であり三島である。鈴木邦男氏には他者の発言や論述を全く検証することもなくそのまま引用したり、根拠なくその論が自分の結論であるかの如く書く性癖(軽さ)があるのは残念である。
  (つづく)          (文責・編集部)

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