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生まれるもの、消えゆくもの…
JUGEMテーマ:鉄道
西田幾多郎哲学記念館からタクシーで宇野気駅に戻る。次の金沢方面行きまで30分ほど時間がある。駅の窓口で翌12日で廃止される寝台特急「北陸」の寝台券に空きがあるか聞いてみる。1ヶ月ほど前の時点で売り切れており、全く期待していなかったが、驚くべきことにB寝台の下段が2つあるという。土壇場でキャンセルが出たらしい。すかさず1枚購入(写真)。実に運が良い。

金沢方面行きの列車は3分ほど遅れて16時10分過ぎに宇野気駅を発車。3つめの津幡駅で直江津行きに乗り換えて17時39分に富山駅着。

駅前にある路面電車の停留所で暫く待っていると、「環状線」という表示の洒落た電車が滑り込んできた(写真)。富山市には大正2年から路面電車が走っており、最盛期の昭和30年代後半には11キロの路線網を有していた。その後、モータリゼーションの進展により路線の廃止が続いていたが、市街中心部の活性化を進める富山市の後押しもあり、昨年12月23日に0.9キロの新路線が開業し、セントラムと名付けられた。

因みに、高齢化社会に対応すべくコンパクトシティを目指す富山市は鉄軌道に対する支援に力を入れており、旧JR富山港線をポートラムとして再生させている。

2両編成の電車に乗っているのは、小生を入れて10人ほど。環状線を一周したが、乗降客は多くない。些か心配になるが、平成26年の北陸新幹線開業に合わせて富山駅は高架化され、ポートラムとの乗入れも計画されているというから今後に期待したい。

市内のスーパー銭湯で一浴し、駅前の居酒屋でホタルイカの沖漬けなどをつまみに一杯。氷見の寒ブリが品切れで食べられず、心残りである。

みぞれが降る中、23時少し前に富山駅へ。ホームにはカメラを片手にした人がチラホラ見える。定刻から10分ほど遅れた23時10分過ぎに先発の急行「能登」が入線(写真)。かつての特急「こだま」を思い起こさせるボンネット型の車両も、ダイヤ改正で「能登」が廃止されるとともに引退となる。「能登」も満員と聞いていたが、車内はガラガラ。噂通り、買い占めた人間が居るらしい。迷惑な話である。

続いて、寝台特急「北陸」が10分遅れの23時20分頃に到着。8号車4番下段の寝台に潜り込み、浴衣に着替える。検札に来た車掌から「乗車証明書」を貰う。実際に乗った人しか貰えないとのこと。寝酒のハイボールを飲み、列車の心地よい揺れを感じながら眠りに落ちる。

翌朝5時30分過ぎに目が覚めると、群馬県の渋川駅に停まっていた。本来なら大宮駅近くを走っていなければならず、だいぶ遅れている。やがて、車掌の「おはよう放送」が入る。信越本線の強風で大幅に遅れているので、急ぐ場合は高崎から上越新幹線に乗るよう誘導されるが、「長く乗れるので、かえって嬉しい」などと思う。

高崎駅には1時間30分以上遅れて6時20分頃に到着。3分の1ほどの人は下車したが、残りは車内に残っている。私と同じ了見の人たちだろう。すっかり外は明るくなっており、ホームは臨時の撮影会場と化している。私も機関車を撮影。激しい雪の中を走行してきたらしく、ヘッドマークが雪まみれである(写真)。

結局、6時50分前に高崎駅を発車。昨晩、津幡駅で買った「きびあんころ」を食べる。包みは昔ながらの竹皮だ。きび粉が練り込んであるとのことで、上品な甘さ。後で調べてみると、100年前と同じ製造法で作られているという。

続いて本庄駅に停まり、上野・新宿方面への通勤電車に先を譲る。いつもなら特急列車が普通列車に抜かれることなどないが、通勤時間帯のダイヤを乱すわけにはいかぬ。通勤ラッシュも一段落した8時30分過ぎに本庄駅を発車。前の列車が詰まっているせいで、ゆっくりとした走りである。別に急ぐこともない。寝台で仰向けになって、携えてきた本を読む。

結局のところ、上野駅に着いたのは3時間半以上遅れの10時過ぎ。13番ホームには友人のO君が待ってくれていた。「能登」と「北陸」の撮影をするために6時前から上野駅で待機していたらしい。彼によれば、先発の急行「能登」は定刻から20分ほど遅れて6時30分過ぎに到着したとのこと。どうやら、わずかなタイミングのズレが大きな遅れを引き起こしたようだ。まあ、寝台列車の雰囲気を堪能できたので良かったとしよう。

昨3月13日にJRグループのダイヤ改正が行われた。ブルートレインとして我が国の高度成長を支えてきた寝台特急も、今や6列車(「トワイライトエクスプレス」「日本海」「カシオペア」「北斗星」「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」)を残すのみである。世の流れではあるが、些か寂しい。
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